リミテッド社に売却、そして事業拡大

ロイ・レイモンドは、1982年にヴィクトリアズ・シークレットをリミテッド社に売却しました。

これは、レイモンド氏に次なる事業計画があったこともありますが、同時に、ヴィクトリアズ・シークレットは深刻な経営危機に直面していました。

リミテッド社CEOのレスリー・ウェクスナー（Leslie Wexner）は、サン・フランシスコのVSショップを初めて見たときから、ずっと興味を抱いていて、わざわざレイモンド氏に面会を申し入れたこともあったのです。

レイモンド氏がウェクスナー氏に経営危機の状況を電話で伝えると、ウェクスナー氏はお店の売却を提案しました。

こうしてレイモンド氏はヴィクトリアズ・シークレットを売却することを決意し、またリミテッド社はヴィクトリアズ・シークレットを買収することにしたのです。

しかし、すぐにウェクスナー氏は、ランジェリーについての知識が乏しいことに気づかされました。

ですから、ヴィクトリアズ・シークレットを潰さないように、どうやって経営を拡大していくかが、当面の課題になりました。

そして、その当時の「ランジェリーとは肌着である」という概念を覆し、「セクシーなランジェリー」「ランジェリーファッション」というものを提案し、顧客に印象づけるために策を講じることにしたのです。

それが時代のニーズにマッチしたということでしょう。

セクシーでファッショナブルなランジェリーはすぐに女性たちの心を虜にし、1990年代に入ると、ヴィクトリアズ・シークレットはメジャーブランドにまで成長したのです。

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